みなさんこんにちは、教育ゆるメモ先生です。
今日は、教室環境整備の中で、教師が主導で行うことについて、小学校教諭の経験をもとに、お話していきたいと思います。私が今回紹介するのは、教室の中を安全な環境に保つために意識することなどの視点も含めた話になってきますので、特に初任者、若手の方は、ぜひご参考ください。
また、この投稿以外にも「落ち着いたクラスの教室環境」という別の視点から見た投稿もしていますので、よろしければそちらも合わせてご覧ください。
それでは早速いってみましょう!
①落ちているものがないように掃除する。
子どもが掃除しているから、大丈夫、、、。ではありません。子どもたちが帰った後の教室をよく見てみてください。そこで様々なものが落ちていることがあります。
例えば、えんぴつ。特に、ズボラな子や特性上、整理整頓が苦手な児童などは、鉛筆を筆箱に入れることをせず、机の上に放置していたり、道具箱の中に適当に入れたり、しています。そんな鉛筆が床に落ちている状況をほっておくと、思わぬ事故につながります。例えば、その鉛筆を踏んだ児童が、すべって後ろ向きに転倒し、机の角に頭をぶつけてしまうことになったり、給食の配膳をしているときに鉛筆を踏んで転び、お皿が派手に割れてしまったりなどが考えられます。それは鉛筆に限らず、折り紙1枚、消しゴム1個でも同じことが言えます。
つまり、物が落ちている状態を放置すると、それだけ安全を損なうリスクが上がってしまうということなのです。私も恥ずかしながら、掃除を怠っていた時期があって、児童が怪我をしてしまうということがありました。
掃除は児童もしますが、最終的に放課後に教室を掃除して落ちているものがないように教室を整えましょう。教室の安全を確保するのは教師の仕事です。子供の仕事ではありません。毎日意識するのは大変ですが、習慣づけていきましょう。
②ひもがとび出ているところを無くす。
例えば、教室の窓の下にある教室棚に絵具セットや習字セットを入れている学級はありませんか。私も絵の具セットや習字セットは、教室棚に置かせています。実は、その絵の具セットや習字セットの紐が事故につながる原因ともなりえるのです。
教室横の棚に入っている絵の具セットなどのひもが、とび出ていると、そこに足を引っかけて児童は転んでしまいます。しかも、えんぴつや消しゴムに引っかかったのに比べて、より強く転んでしまったり、勢いよく転倒してしまう可能性が高まります。それは、紐の性質もありますが、何より見分けがつきにくいという観点が大きいように思います。
えんぴつや消しゴムは本来床にはないものなどで、比較的気づきやすいです。しかし、絵の具セットなどは、基本的に下にあるものと児童も認識していますので、意識をしづらいという見分けづらさがあります。それも災いして、より大きなけがにつながってしまいます。
教室棚だけではなく、児童机の横も同じです。
机の横に引っ掛けている図書バックの片方の紐だけが、フックにかかっておらず、とび出ていませんか。そういった紐も、例えば着ている洋服の紐に引っかかったり、机を移動する活動で引っ掛けてしまったりなどのトラブルを引き起こす原因となります。
そうならないように紐(輪っか)などを特に意識をしながら、もしとび出ていたら、直すように習慣づけましょう。
③机を整える。
私が執筆している「落ち着いているクラスの教室環境」でも触れていますが、落ち着いているクラスでは、いつも机が均等に揃っています。それは規律という観点でも言えますが、同時に安全が保たれているという視点からも見ることができます。
机が均等に揃っていないと、児童が通る隙間がなく、無理な体制で移動しなくてはならなかったり、机にぶつかって痛い思いをしたりなどの怪我のリスクが上がってしまいます。また、児童の机、椅子がものすごく近い距離にあると、誤ってはさみの先が前の人の背中に当たってしまったり、習字の炭が前の人の洋服に付いてしまったりなどが考えられ、トラブルのもととなります。
そのためには、私はどんな学年でも印をつけるようにしています。そうして、自分たちで均等に机やいすを揃えられるように仕掛けをしています。
しかし、最後放課後には、机がきちんとそろっているか確認し、毎日揃えていく習慣をつけるようにしましょう。気持ちの良い朝のスタートが切れます。
④掲示物の管理
特に安全に関して多いのが、画鋲での怪我です。
教室の側面やろうかなどに掲示するものが多くあると思います。その掲示物を定期的に確認していますか。確認してみると、画鋲がいくつかなくなっていたり、画鋲のトゲだけが壁に刺さったまま残っていたりすることがあります。児童は何気なく壁を触ったり、当たったりすることがありますが、そこで流血するような怪我にもつながることも考えられます。
毎日確認するのは大変かもしれません。私の場合は、週目標があり、それを確認したり、次のに変えるときに確認するようにしています。また、児童にも「もし見つけたら教えて」「掲示物の画鋲がとれていることもあるから気を付けてすごして」なども合わせて伝えています。
1週間に一度、長くても1か月に1回は確認をするようにしましょう。
⑤窓の管理
2つの観点に分けて説明します。
1つ目は、窓からの転落を防ぐためにすることです。特に休み時間などに風に当たりたいからと窓を触ってしまう子がいたり、身を乗り出してしまう子がいます。当然学級指導はすると思いますが、児童に魔が差してやってしまうこともゼロではありません。そういった事故を防ぐために、ストッパーを設置しています。
管理職の管轄かもしれませんが、窓が全開にならないようにストッパーを設置し、管理しています。具体的には、児童の発達段階(体の大きさ)合わせて、頭が出ないくらいの開閉ができるように整えています。すごく細い児童は、頭が通れると、体を横にすれば全身がとび出てしまうからです。
このように窓からの転落の可能性を”ゼロではない”ではなく”ゼロにする”という徹底は大切だと思います。これは、どの項目にも関係しますが、想定される危険は回避できるような仕組みづくりが教員には大切だと思います。ぜひ、管理職等にも相談してみてください。
2つ目は、換気という視点です
窓を開けること、コロナがあったこともあり、現在では定着してきたかもしれませんが、コロナが落ち着いてきても続けられていますか?感染症のリスクを減らすという意味でも大切ですが、有事の際の脱出経路としての役割、外気を取り入れて空気の循環をつくる役割などがあります。
換気をきちんと行うだけで、感染症のクラスターのリスクを減らしたり、火事の際などの緊急対応も可能となり、安全を保つことにつながりますので、忘れずに朝学校に来たら、窓を開ける習慣を付けましょう。
まとめ
①落ちているものがないように掃除する。
②紐がとび出ているところを無くす。
③机を所定の位置で整える。
④掲示物を定期的に確認する。
⑤窓を毎日開ける。
途中で、落ち着きのあるクラスは、机が揃っている。と述べました。
つまり、落ち着きのあるクラスは、安全も保たれているということです。繰り返しますが、教室の安全を保つのは、教師の仕事です。常にリスクを考えながら、少しでも危険があるようならそれを取り除いておく。そんなマインドで教室環境を整えていくと、自然と学級経営も落ち着いてくるということです。
忙しい中だとは思いますが、児童の安全のため、がんばっていきましょう!
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